028903 ランダム
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第22部「毒」

22部 毒





コンビニ  谷神・井川・近羽   08時02分
もう辺りはすっかり暗くなっていた。
3人はコンビニ内で静かにしていた。
明かりはレジの上のものしか付けていない。
「・・・・」
「・・・・」
静かな中で、井川が口を開いた。
「・・・・そ、そうだ!は・・・花火しよぅ!!」
ーーーーこれが恐怖を紛らわす為の秘訣だった
「・・・だねぇ!やろう!!」
ーーーーー
3人はたくさん花火とライターやらを外に出し、やろうとした。
「最初何からやろうか!?」
谷神は1つの花火の封を切る。
「じゃあ・・・ノーマルから!!」
「だね!」
井川はノーマルの花火に火をつける。
【パパパパパパッ】
何色もの火花が拡散して飛び散る。
「・・・・綺麗」
他の2人もノーマルの花火に火をつけやる。
その時だった。


【・・・・・・チッ!!】


井川の花火の先が何か飛んできたものに当り弾かれる
【ポトッ】
火種は下に落ちる。
ーーーーー直後
【ガッシャァーーーン!!!!】
「キャーー!!」
3人の横のコンビニのガラスが割れる。
「・・・なに!?」
井川はコンビニと反対の方向を見た。
「・・・・・・!?」
そこには
「ハッ!3人いるじゃんか」
植杉だった。
「冥・・・・ちゃん・・・」
右手には先程まで持っていなかった銃を持っていた。
「・・・・・」
植杉は走り、谷神の近くで止まる。
谷神の顔を蹴り、後ろへ仰け反った所を足下にあった火のついたローソクを拾い谷神の口に入れもう一度蹴る。
谷神の頭部はコンクリートへと直撃する。
・・・そして、もう一度頭を蹴る。
「・・・さぁーて、あんたらはどうしょうかな・・・・」
『・・・・痛ッ』
・・・その時、植杉の腹部に激痛が走った。
『・・・ぁんれぁんれ・・・・?』
「・・・まぁ、今回はこれで許してあげるわ!!お・・・おーほっほっ!!」
植杉は走って行った。
「・・・・なんだったの・・・?」
2人は唖然となった。

「・・・・ったい・・・ヤバぃ・・・なんだょこれ・・・・」
・・・植杉の口からは血液が伝って流れていた。
『・・・・ケホッ・・・・なにかしたっけなぁ・・・?』

映画館前  植杉   05時24分
「・・・・」
植杉は歩く
『[どこに行くの?]なんて聞かれても答えられないだろぅな』
その時、足下の石につまずく
「痛ッ・・・・・」
【・・・・チリンッ】

ーーーここで転ばなかったらもっと生きれたかな・・・?ーーー

植杉はカギを落とした。
「ヤバァッ!・・・・・」
植杉は手を突き立ち上がり、カギを拾おうとした。
【・・・バスッ】
「!?」
植杉は後方へ飛び退く。
【カシュッ!!・・・】
カギのすぐ近くに矢が刺さった。
「何だ今・・・・」
【ジリッ・・・・】
植杉の目の前に1人の女があらわれた・・・
「めいこ・・・・じゃん」

ーーーーーー金斗だった

「・・・・まつこ」
2人の親友は出会った。
・・・・しかし、親友達は再会を喜ぶ事はしなかった。
「・・・・」
ゆっくりと金斗のキーチャーが光っている。
「めいこ・・・カギ渡してくれない?」
金斗はボーガンを下げ、落ちているカギを差す。
植杉は顔を下にうつむけた。
「・・・・ゴメン」
「・・・ねぇ、もし渡してくれたら一緒に協力して生き残ろう?」
「私が持ってても変わんないじゃん・・・」
「それでも良いょ、だからね・・・一緒に行」
「1人じゃなければ意味が無いの」
植杉はゆっくりと顔を上げた。
「・・・・・そっか。。。それじゃあしょうがない、力付くで奪うまで」
「で、出来れば・・・まつことは戦いたくなかった・・・」
「・・・私も、めいこ」
【カシャ】
植杉はバッグから釘打ち機を取り出す。
「できるだけ・・・・早く死んでね」
金斗の全てのボーガンの矢の先には毒が塗ってあった。
先程、毒を拾った、そして塗ったらしい。
「・・・・当らない!」
植杉は金斗に向かって走り出す。
金斗もボーガンを両手で構える。
しかし植杉は矢を撃たれる前に金斗の目の前まで到着した。
右足を振る。
金斗はそれを避け、ボーガンを撃つ。
【バシュゥッ】
植杉は体を後ろに反らして避ける。
そしてすぐ起き上がり釘打ち機を撃つ、が空を斬る。
「くっ!・・・」
金斗バックステップで距離をあける。
「・・・終わりぃっ!!」
ボーガンの引き金を連続で引く。
【バババババババスッ!!】
両手で抱えた体とは不釣り合いなボーガンから矢が放たれる。
疾風のごとく空を走る。
【ドンッ】
植杉の右ヒジに1本の矢が刺さる。
「ギャァッ!!」
植杉はその場に倒れる。
【ガガガガガッ!!】
他の矢は地面に突き刺さる。
「・・・・・!」
その時植杉は、自分のすぐ横にナイフを見つける。
釘打ち機を捨て、ナイフを右手で持ち走る。
「なっ・・・!?」
金斗は焦り、ボーガンを撃つヒマが無かった。
植杉はナイフを投げる。
金斗の右太ももに刺さる。
【ザッ!!】
「!?・・・・クソォッ!!」
金斗はすぐにナイフを抜き、逃げるようにして後方へと走り出す。
ーーーーー
植杉はその場に座り込む。
「・・・・・」
【・・・・クチュゥッ!!】
すぐに右ヒジから矢を抜く。
「ガァッ!!・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

【・・・ゾクゥッ!】

植杉の身体に悪寒が走った。
右手が痙攣を始める。
『はっ・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・』
「・・・あ」
植杉は前方に銀色に光るものを見つける。
そしてそれに近付き拾う。

マグナムリボルバー

植杉の手には不釣り合いの大きさの銃を拾った。
両手で持っても収まりきれない。
「・・・・ははっ、やった・・・・やっと飛び道具ゲトー」
釘打ち機を拾い、バッグに詰め込む。

【・・・・ズキッッ!!!!】

「グゥゥゥッ!!!」
右手の傷みと痙攣は止まらない。
右手を抑えながらカギを拾う。
ーーーー植杉を眼は凍てつく冷たさを持っていた。

本部近く  牧屋・ガキ VS ???   10時08分
「・・・・っくしょぉ!!」
牧屋はカベに背中を付けながら立っている。
ゆっくりと息を吐きながら上を向く。
そして上を向きながらバッグからタオルを出す。
右肩から血が出ていた。
タオルを肩にキツく巻く。
「・・ギ・・・ギギ・・・・・・ガァァァッッ!!!!・・・・ググッ・・・」
身体が震えていた。
・・・牧屋の横にガキの姿は無かった。
『・・・・っのやろぉ・・・ガキィ、どこ行きやがったぁ・・・』
息は窮めて荒かった。
その時ーーー
「グルルルルル・・・・」
牧屋の背後で声がした。
『・・・っんであんなんがいんだょぉ!?』
牧屋は後ろに振り返る。
そこにいたのは・・・・・ライオンだった。
「・・・っのやろぉ共だな・・・?俺等の死ぬペース早めよぅとしてやがんな・・・?あぁ?」
ライオンは牧屋の方を見、止まる。
ライオンは牧屋に向かって走る。
【ドッ!!】
カベを蹴ってカベから離れる。
ライオンはカベに噛み付く。
【ゴロッ・・・】
カベは崩れた。
「・・・ぅっひゃぁー・・・・」
牧屋は先程肩を引っ掻かれた。
で、血が止まらない。
ライオンは、一度頭を左右に振り、もう一度牧屋に向かって走る。
「ガァーーーーー!」
「!!」
ライオンが牧屋の首に噛み付こうとしたその時。
「低空ドロップキィーーーーーーックッッッッ!!!!」
【ドォッッッ!!】
「キャァァンッッ!!」
地面から30センチ程の高さのドロップキックをかましたやつが現われた。
「困っている人がいれば、俺がいつでもやってくるさぁー!!」
「・・・・・新野」
牧屋の目の前に新野が現われた。
ライオンはムスッとした顔で起き上がる。
「マッキー・・・・ここぁ俺ん任せな!!」
「悪りぃな・・・・」
「良いってょ!!」
新野はライオンに向かった。
「マッキー襲うとぁー・・・何様だぁー!?・・・ヨンさ」
ライオンの爪が新野の体を突く。
「ビイイイィィ-クトリイイイィィィィィィィィィィ━━━━━━━━!!!!!!!」
新野は5mぐらい吹っ飛んだ。
「えぇぇェェェェェェェェ(´д`ノ)ノェェェェェェぇぇえーーーーーー・・・・」
牧屋は困った。
「・・・4差って何?4差って・・・?」
『ギャグ言ってる途中でカットされるって・・・・かなり』
「オォーィシックニェェェェ~・・・」「ビクゥッ!?」
『こうなったら武器使うかな・・・フフフ』
新野は笑顔で牧屋の方を向く。
「待ぁーたせったなぁー!!マッキー!!」
そして自分のバッグを探る。
「パンパカパァーーーン」
バッグから・・・プーさんの人形を出す。
「スーパーゴーストカミカゼアタ」
「早くして」
「・・・・はい」
「・・・・で、それが・・・それがどうなるんだぁ!!爆発とかするんかぁー!?」
牧屋はエキサイトしちゃったりする。
「まぁ待てって・・・見てなぁっ!!」
新野は人形をライオンに向けて投げる。
「くぅぅぅぅらえぇぇぇぇーー!!」
人形は美しい弧を描いてライオンに向かって飛ぶ。

【パシンッ】

人形はライオンの頬に当たって下に落ちる。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・何か副作用あんの?」
「・・・さぁ?俺もさっき拾った」
「死ね」
「!」

ライオンは顔を下に下げる。
【・・・パクッ】
「喰べられたぁーーー!!」2人が同時に叫んだ。
プーさんはライオンに食べられた。
「プ・・・プーさんはいづこへ・・・?」
「ヤベェッ!!」
新野はバックの中から発煙筒を取り出しライオンに投げた。
みるみるうちにライオンの辺りは煙に包まれる。
「行くぉ!」
新野は牧屋に肩を貸し、走り出す。

「・・・最初っからそれ使えにゃ」
「ぇへへ」
まぁ、逃げれたから良いけど・・・サンクスな」
「ぃぇぃぇ」
「・・・ふぅ」
2人は走った。





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本部  立花   11時59分
『みなさん、寝てますか?えっと、只今12時になりました。デッドゾーンには・・・誰もいません。良かったことです。
そして只今から左手のレーダーがつきます、それでは』


【ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォーーー!!!!】


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本部  立花   00時03分
『みなさん、起きたかな?さっそくですが次の地盤沈下の情報を。
えっと・・・次は今から12時間後の12時におよそ2キロ沈みます。
頑張ってください・・・・では』









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